手術看護分野認定看護師は手術看護の分野で熟練したスキルと知識を生かして周手術期の患者に質の高い看護を提供できる認定看護師です。
患者の術前の不安を取り除く精神的なケア、手術による合併症が起きないように予防をする対策に努めること、手術中の安全管理などが役割としてあります。
目次になります。
手術看護分野認定看護師になるには
・日本看護免許を持っている
・免許取得後、実務経験5年以上、認定分野3年以上であること
・認定看護師教育機関(課程)修了していること。
・教育機関は6ヶ月以上昼間に連続した教育であること
手術看護分野の認定看護師を取得ための実務経験は次の3つの条件を満たしていることが望ましいと看護協会が定めています。
・手術看護における機器出し看護師、外回り看護師の実績を有すること。
・現在、手術看護部門で勤務していることが望ましい。
手術看護分野認定看護師は認定試験の合格すると資格取得でき、
その合格率は90%以上です。
落とすための試験ではないのでしっかりと勉強をしていれば難易度はそう高いものではありません。
しかし、認定看護師の資格を取得するための試験を受けるための資格を得ることの方が困難と言えるでしょう。
手術看護分野認定看護師の教育機関
2018年現在の看護分野認定看護師の教育機関はこちらです。
・東京女子医科大学看護学部 認定看護師教育センター(東京都)
・福井大学大学院医学系研究科附属地域医療高度化教育研究センター看護キャリアアップ部門(福井県)
・ 学校法人兵庫医科大学医医療人育成センター認定看護師教育課程(兵庫県)
手術看護分野認定看護師の役割と求められるスキル
JNA(日本看護協会)が認定する手術看護師はその名の通り手術という特定の分野関して熟練した看護スキルを持つ人とされています。
手術看護分野認定看護師には「実践」「指導」「相談」の3つの役割があります。
手術看護全体の業務では高い看護実績を行い、その指導や相談を通じて同僚の看護師や他の部署の看護師や医療スタッフと連携をとって病院全体の看護体制の質をあげる役割があります。
また、新人看護師は多部署へ移動を希望することが多いので、他の看護師に手術室での勤務のやりがいを伝えたり、相談に乗ることも役割であり、コミュニケーション能力が求められるスキルになります。
日本看護協会が認定する手術看護分野認定看護師は、手術という特定の分野に関しての熟練した看護師スキルが求められます。
日本看護協会によると、術前・術中・術後の周手術期の患者に対して高いレベルでの看護ができる人が手術看護分野認定看護師であるため、特有のスキルが求められます。
例えば術前では、患者の元へ訪問して不安を取り除いたり気持ちを落ち着かせて手術に望めるようにサポートして、家族に対しても正しい知識を伝えるために、コミュニケーション能力が求められます。
術中では機材の安全管理や合併症の予防や管理などマネージメント能力が必要になります。
指導も手術看護分野認定看護師の役割なので、リーダシップも求められます。
・マネージメント能力
・リーダシップ力
手術看護分野認定看護師が活躍できる職場
手術看護分野認定看護師が活躍できる職場は手術室です。
手術前の準備や術中の安全管理、術後の看護まで手術に関連した一連の看護業務が委ねられるのが手術看護分野認定看護師です。
活躍できる職場は幅広く、大学病院や総合病院、救命救急センター、災害拠点病院に指定されている医療機関など、手術室を持つ病床数の多い病院であれば手術看護分野認定看護師が必要とされています。
海外でも活躍したい方は、アメリカやカナダのようにその国の看護師資格試験に合格しないといけないところもありますが、イギリスやオーストラリアのように日本の看護師免許があれば現地で研修を受けるだけで働ける国があります。
JICAや国境なき医師団の一員として発展途上国で手術に携わる看護師もいます。
手術看護分野認定看護師になるために
手術看護分野認定看護師になるには多額の費用がかかります。
教育機関の入学金だけで約5万円、授業料で70万円、実習費で約10万円と合計で100万円以上かかってしまいます。
病院では認定看護師の資格取得を支援してくれる病院があり、その費用を負担してくれるところがあります。
このような病院では資格取得後もその資格を活かして働くこともできます。
教育機関に通っている間を休暇扱いにしてくれるなど、とにかくサポートしてくれます。
まとめ
手術看護認定看護師は、手術ナースのスペシャリストとして機会出し、外回りの双方の仕事で高い看護実践能力を習得することが必要です。
数ある認定看護師はのなかで手術看護は人気が低い分野です。
定員割れが続くと休講や廃止になる教育機関が出てくる懸念があるので、手術看護認定看護師を目指している方は狙い目でもあります。
手術看護は、術中はもちろん術前、術後の看護のケアや他部署との連携も重要な仕事です。